2009.03.05 Thursday
産婦人科医に「ありがとう」を!
昨日、ロゼシアターで開催された「富士医療シンポジウム」を聴いてきました。
現役の産科医からの意見が聞けて、産科をめぐる現状を知る上で、分かり易くて良いシンポジウムでした。
鈴木尚市長の基調講演の後、次の4名の方の意見発表。
・産婦人科を守る会会長の細木久美さん
・望月産婦人科医院委員長の吉川充さん
・中央病院産婦人科部長の窪田尚弘さん
・富士健康福祉センター所長の鈴木輝康さん
■ありがとうメッセージについて
昨年、中央病院の産婦人科の維持を求め13万6762人もの署名を集める活動をした「産婦人科を守る会」ですが(過去記事参照)、いま取り組んでいるのが、「産婦人科医にありがとうメッセージを送ろう」という企画。
これは、分娩を担当した産科医の先生にちゃんと「ありがとうございました」って言える機会ってあまり無いよねー、ということで、「ありがとうメッセージ」を集めて(富士地区の)産科医に贈るそうです。メッセージには、産科医の先生が思い出せるように、母子または家族の写真を付けます。
去年の富士市議会で産科開業に1億円の助成が決まったりと、「お金」の面での支援策はできてきましたが、それだけで産科の先生が富士に来て残ってくれるのかな、もっと「気持ち」の面で「医師」と「市民」が歩み寄る必要があるのでは?、ということで始めたそうです。実際、シンポジウム終了後に、会場に来ていた産婦人科医の先生とお話もしましたが、「こういうの励みになります」と言っていました。
3月末まで、富士市フィランセや富士宮市保健センターで、用紙の配布や回収を「産婦人科を守る会」のメンバーが行っています。チラシを見つけたら、メッセージを是非。僕んちも書きます!
日程などの詳しい情報は↓のブログで。
http://ameblo.jp/save-sanfujinka/
産婦人科を守る会は、3月5日号の「広報ふじ」の第8面でもとりあげられています。(PDFで表示)
(ちなみに第9面は、わたくしのインタビュー入りの「コミュニティf」特集!)
■産科をめぐる現状
シンポジウムでは、開業医・勤務医、それぞれのお立場で産科の現状をお話してくれました。メモったところ全部書こうと思ったんだけど、かなり長くなるし、しんどいので、3名の講演の内容+自分の意見を、ごちゃまぜにして、端折って端折ってほんの少しだけ。
↓分娩数は減ってるんだけど、それ以上の勢いで産科医は減ってる。ほんとやばい状況。
↓産科医師の女性の割合が増えてきる。30代で5割。20代だと、なんと7割が女性医師。
女性の産科医をもてはやす風潮もあって、男性で産科医を目指す人が少なくなった。
→女性医師は、医師自身がお産・子育てで休むことが多くて、研修開始後10年〜15年の勤務率は50%程度。
→医師不足がさらに拍車。これから、もっと大変なことになる。
富士地区は、人口あたりの勤務産科医の数が、現状ですでに県内で最も少ない。
→これで、中央病院の産婦人科がなくなってたらエラいことになってた((((;゜Д゜)))
・分娩による妊婦の死亡や新生児死亡率は、年々下がってきてるし、世界トップレベルの医療。
→しかし、事故が「まれ」であるが故に、すぐに医療過誤ということになる。
→過去にはマスコミの(産科医に対する)バッシングもあった。
→産科医はリスクが訴訟のリスクが高い。
産科医は、めっちゃ忙しい。24時間365日体制。
→家族と泊りがけの旅行にもいけない。
→労働条件悪くて、スタッフ確保も大変。
→産科医は、ハイリスク・ローリターンの仕事になってしまった。
→開業産科も激減中。
■今後の富士市立中央病院
さて、富士市立中央病院の産婦人科についておさらいすると、現在の慈恵医大からの医師4名のうち3名が今年3月末で中央病院からいなくなってしまいます。その替わりに、浜松医大から3名の派遣を受けることが決まっています。
そして、昨日のシンポジウムで発表されたのは、今年の秋までに、浜松医大から男性医師がもう1人派遣され5名体制になる可能性が高いそうです。これは良いニュース!
医師不足の問題は、産科だけでなく他の科においても、随分と深刻です。例えば、国政選挙・地方選挙でもっとスポットライトをあてて、医療問題をちゃんと考えてる政治家を選ぶ必要があると思います。
産婦人科の仕事は、過酷で大変な仕事だなーと改めて思いました。産婦人科の先生方、いつも本当にありがとうございます。
現役の産科医からの意見が聞けて、産科をめぐる現状を知る上で、分かり易くて良いシンポジウムでした。
鈴木尚市長の基調講演の後、次の4名の方の意見発表。
・産婦人科を守る会会長の細木久美さん
・望月産婦人科医院委員長の吉川充さん
・中央病院産婦人科部長の窪田尚弘さん
・富士健康福祉センター所長の鈴木輝康さん
■ありがとうメッセージについて
昨年、中央病院の産婦人科の維持を求め13万6762人もの署名を集める活動をした「産婦人科を守る会」ですが(過去記事参照)、いま取り組んでいるのが、「産婦人科医にありがとうメッセージを送ろう」という企画。
これは、分娩を担当した産科医の先生にちゃんと「ありがとうございました」って言える機会ってあまり無いよねー、ということで、「ありがとうメッセージ」を集めて(富士地区の)産科医に贈るそうです。メッセージには、産科医の先生が思い出せるように、母子または家族の写真を付けます。
去年の富士市議会で産科開業に1億円の助成が決まったりと、「お金」の面での支援策はできてきましたが、それだけで産科の先生が富士に来て残ってくれるのかな、もっと「気持ち」の面で「医師」と「市民」が歩み寄る必要があるのでは?、ということで始めたそうです。実際、シンポジウム終了後に、会場に来ていた産婦人科医の先生とお話もしましたが、「こういうの励みになります」と言っていました。
3月末まで、富士市フィランセや富士宮市保健センターで、用紙の配布や回収を「産婦人科を守る会」のメンバーが行っています。チラシを見つけたら、メッセージを是非。僕んちも書きます!
日程などの詳しい情報は↓のブログで。
http://ameblo.jp/save-sanfujinka/
産婦人科を守る会は、3月5日号の「広報ふじ」の第8面でもとりあげられています。(PDFで表示)
(ちなみに第9面は、わたくしのインタビュー入りの「コミュニティf」特集!)
■産科をめぐる現状
シンポジウムでは、開業医・勤務医、それぞれのお立場で産科の現状をお話してくれました。メモったところ全部書こうと思ったんだけど、かなり長くなるし、しんどいので、3名の講演の内容+自分の意見を、ごちゃまぜにして、端折って端折ってほんの少しだけ。
↓分娩数は減ってるんだけど、それ以上の勢いで産科医は減ってる。ほんとやばい状況。
↓産科医師の女性の割合が増えてきる。30代で5割。20代だと、なんと7割が女性医師。
女性の産科医をもてはやす風潮もあって、男性で産科医を目指す人が少なくなった。
→女性医師は、医師自身がお産・子育てで休むことが多くて、研修開始後10年〜15年の勤務率は50%程度。
→医師不足がさらに拍車。これから、もっと大変なことになる。
富士地区は、人口あたりの勤務産科医の数が、現状ですでに県内で最も少ない。
→これで、中央病院の産婦人科がなくなってたらエラいことになってた((((;゜Д゜)))
・分娩による妊婦の死亡や新生児死亡率は、年々下がってきてるし、世界トップレベルの医療。
→しかし、事故が「まれ」であるが故に、すぐに医療過誤ということになる。
→過去にはマスコミの(産科医に対する)バッシングもあった。
→産科医はリスクが訴訟のリスクが高い。
産科医は、めっちゃ忙しい。24時間365日体制。
→家族と泊りがけの旅行にもいけない。
→労働条件悪くて、スタッフ確保も大変。
→産科医は、ハイリスク・ローリターンの仕事になってしまった。
→開業産科も激減中。
■今後の富士市立中央病院
さて、富士市立中央病院の産婦人科についておさらいすると、現在の慈恵医大からの医師4名のうち3名が今年3月末で中央病院からいなくなってしまいます。その替わりに、浜松医大から3名の派遣を受けることが決まっています。
そして、昨日のシンポジウムで発表されたのは、今年の秋までに、浜松医大から男性医師がもう1人派遣され5名体制になる可能性が高いそうです。これは良いニュース!
医師不足の問題は、産科だけでなく他の科においても、随分と深刻です。例えば、国政選挙・地方選挙でもっとスポットライトをあてて、医療問題をちゃんと考えてる政治家を選ぶ必要があると思います。
産婦人科の仕事は、過酷で大変な仕事だなーと改めて思いました。産婦人科の先生方、いつも本当にありがとうございます。