選挙が終わり2週間がたちました。
お世話になった人にご挨拶したり、イベントに参加したり、事務所を撤退したり、選挙の会計報告書を作ったり、今後の会派について打ち合わせたり、さっそく陳情的なご相談を受けたりと、ドタバタなゴールデンウィークを過ごしました。
今日からやっと、腰を落ち着けて、仕事に取り組んでいきたいと思います。
その前に、ちょっとだけ選挙について感じたことをメモっておこうかという記事です。
■地区推薦?
私自身、富士市にUターンしたのが6年前で、あまり富士市の選挙事情が分からないまま挑むことになりましたが、富士市においては、地区推薦(町内会推薦・自治会推薦)というシステムが強固に残ってるものなんだなー、というか、それで当選確実な候補者の顔ぶれの多くが決まっている感もあります。
別に、地区推薦という慣習を否定するものではありませんし、私も自分が住んでいる地域の方との交流を議員活動の土台としていきたいと思っています。しかし、地区推薦には弊害もあると感じました。
その最たるものは、住んでいる地域に強い現職議員がいる限り「新しいチャレンジャーが立候補しにくい」ということです。能力もやる気もあり若くして富士市議になろうと志ざしても、近所に現職議員がいたら、事前に周到な根回しが必要だったりします。富士市に若い議員が少ないのは、これが原因のひとつだと思います。
ここ数年で、「公民館」が「まちづくりセンター」にかわり、各小学校区ごとに町内会長や地域の人が参加する「まちづくり推進会議」が設けられ、地域の要望はそこで吸い上げて市政に反映されるようになってきています。
「うちの地区は〇〇さん(←地区推薦の候補)だから…」という言葉を選挙戦を通して何度も聞きましたが、そういう意識もだんだん変わっていくだろうと思っています。
■地上戦/空中戦
選挙用語?みたいなもので、一件一件、地域を回るような活動を「地上戦」、WEBサイトを作ったり街頭演説をしたりビラをポスティングしたりするのを「空中戦」というそうですが、だいたい市議選においては、空中戦は正統的なやり方でないと否定的に言われることも多かったです。
「市議選に浮動票は存在しない」「知り合いにしか票を入れない」という風にも言われますが、(もちろん直接の人間関係を一番に大事にしながらも)私は「浮動票はある」と信じながらブログを書いたり街頭演説をしてきました。
それは、政治や行政サービスを本当に必要としているのは、社会的排除 (social exclusion)の状態にある人だと思うからであり、そういう人は町内会の行事や、趣味の集いや、大企業の労働組合などに参加せずに(できずに)、「○○候補をお願いね」と言われることさえなく生活している人も多いと思います。そういう方にも、直接的に訴えかけたいという思いがあって、ブログを書いたり、街頭演説をしたり、ビラをポスティングしたりしました。
これから様々な境遇にある市民、例えば、他市から転勤で移り住んできたばかりで周囲と接点もないアパート暮らしの人(これは数年前の自分の姿でもあります)も念頭において、政治活動をしていきたいと思っています。
■政党公認
私に寄せられた意見の中には「市議会選挙だったら無所属ででるべきでは?」というものもありました。これまでの市議選では、自民党や民主党の党籍を持っている人もみんな無所属で出馬するのが通例でした。これに関しては自分でも迷いがありました。
東京や神奈川の市議会・区議会選挙においては、無所属の候補は"レア"になってきています。例えば、同じ日(4月24日)に行われた大田区の区議会議員選挙は当選者50人中、無所属はたった1人だけで他の49人はどこかの党の公認候補です。(
大田区区議選結果)
そんな東京圏の地方政治と、いまの富士市(当選36人中30人が無所属)とは、大きな隔たりがあるんですが、私は20年・30年というスパンでみたときには、だんだんと地方議会も国政の2大政党に連動するようになってくるし、その方が有権者にとって解りやすいと思っています。地方政治と国政は別物ではありますが、ある程度の連動性をもった方が(完全に連動してしまう必要はないけど)、地方の声が国に届きやすくなると思います。私も4年前に市議選の投票先を決めるときに、「無所属ばっかりで自民党系なのか民主党系なのか解りにくいな」と思った記憶があります。そんなことを思って、今回の選挙においては民主党の公認を受けました。
で、「なんで民主党なの?」という質問もよく頂くワケなんですが、私は細野豪志さんと出会って細野さんの政治活動を応援するようになったことが今回の立候補に繋がったので、自然な流れでそうなりました。
あらゆる仕事にせよ、スポーツや芸能にせよ、自分が成長したいと思ったら「師匠」と思える人を見つけて学び取るのが上達の近道というのが私の昔からの持論ですが、今の自分にとって、政治家としての師匠が細野豪志さんで、今後しばらくは、細野さんと同じチームで仕事をしながら学びたいというのが、正直な気持ちです。
4年前(2007年)の今頃の首相は誰だったかというと安倍さんでした(安倍→福田→麻生→鳩山→菅)。それを考えると4年後に誰が首相で、国政がどうなっているかなんて予想もつきませんが、富士市民にとってメリットになるよう、国政とのパイプ役を担っていきたいと思います。
■選挙カー
選挙カーですが、私は初挑戦ですし、まずは経験してみようということで使いました。名前を連呼するだけでなく、街頭演説を増やしていこうという戦略で戦いました。白い手袋して、助手席に座って沿道に向かって大げさに手を振るのも「なんだか滑稽な風景だなー」と客観的に思いながら乗っていましたが、スピーカーからの音を聞いて、家の中から飛び出してきて握手をしてくれる人もいて、これにはちょっと感動しました。
今回の統一地方選では、震災の影響を考慮して選挙カーを自粛した候補もありました。富士市における県議選・市議選では、選挙カーを使わなかった候補が票を減らしたという分析もあるようです。「選挙カーはうるさいだけ」という声も聞きますが、楽しみにしてる人もいるのかな…。4年後(選挙にでるとしたら)どうしようか迷うところです。
■議員定数削減
最後に…
今後、いろんなしがらみに縛られて書きづらくなる可能性もあるので、今のうちにここで遺言のように書いておきますがw
私は、富士市議会の定数はさらに削減すべきだと思っています。今回、沼津が28議席にまで減らしたこと、そしておそらくは4年後は富士市でも人口が減少しているであろう中で、次も36議席というのはナシだろうと思います。
■近隣の市の人口と市議会定数
富士市:人口・25万4千人 定数・36
静岡市葵区:人口・25万5千人 定数・19
静岡市清水区:人口・24万7千人 定数・19
浜松市中区:人口・23万8千人 定数・14
沼津市:人口・20万1千人 定数・28
富士宮:人口・13万2千人 定数・22
三島市:人口・11万2千人 定数・24
(人口はwikipediaに乗っていた2011年4月時点の推計人口)
「多様な意見を市政に反映するには、ある程度の議員定数が必要」という意見もありますが、今後は税収が落ち込み、予算のカットをお願いする分野もあると思われる中、議員も身を切っていく必要があります。
この話題が浮上してくるのは、次の選挙が近くなってからだと思います。ぜひ、注目してください。
■頑張ります!
議員が1人でできる権限というのは限りがあるので、あまりに自分の意見ばかりを主張しすぎて周囲とケンカしてもいけないので(私にとってはこれが心配…)、他の議員や市職員とも良い関係を築きつつ、しかし、馴れ合いのように仲良くしすぎず、バランスと緊張感を保ちながら4年間の市議の任期をつとめたいと思っています。
今後とも宜しく、どうぞ。