2011.03.30 Wednesday
標高を知ろう[追記あり]
3月31日追記。
ちょっと誤解されているようなので、このエントリの趣旨について(繰り返しになりますが)追記して書きます。
東海地震が来たら、津波がくる前に真っ先に「高台」に逃げるべきだけど、東海地震の場合はすぐ津波が来るから逃げられる時間が少ないです。だから最寄りの(数分で到達できる)、
・なるべく海から遠くて
・なるべく標高が高い場所に建っている
・なるべく頑丈な建物の
・なるべく高い階に昇る
ことの用意をしておく必要があるけれど、このうち「標高」についてはあまり知られていないから知っておいて欲しいな、もしかしたらこの情報で助かる命があるかもしれないし、判断材料となる情報は多いほうが良いのでは、というのがこのエントリの趣旨でした。本文でも書きましたが、標高で津波の危険度が決まるワケではありません。あくまでもいくつもある要素のうちの一つです。
(追記終わり)
----
最近は誰と話していても、地震と津波と原発の話になります。で、東海地震が起きた場合、自分の家まで津波がくるのか、どこにどうやって逃げれば良いのか分からずに不安に思っています。中には「津波が来たら諦めるよ」なんてうそぶく人もいますが、諦めてはいけません!
もちろん、指定された避難場所に逃げるのが基本です。しかし、超東海地震(フジブログ過去記事参照)のような、現在想定されている以上の大地震が起きたときにどうするか…。今回の東北の地震では「自治体が定めた指定避難所のうち少なくとも64カ所が津波に襲われ、確認されているだけで100人以上の死者・行方不明者がでている」そうです。(<東日本大震災>指定避難所に津波 死者・不明100人超す (毎日新聞) - Yahoo!ニュース)
一刻も早く、M9クラスの超東海地震が発生したときの津波シミュレーションがされて「避難マップ」がつくられるべきですが、それができるまでは、自分で考えて行動するしかありません。
どこに逃げるのか…。
まずは高台に、富士市ならばとにかく北へ逃げるのが正解だと思います。しかし、皆が車で逃げたら大渋滞になることが容易に予想されます。なので、「自分がいる場所からの距離」「海からの距離」「建物の高さ・丈夫さ」「建物が建ってる標高」などを総合的に判断して、避難する場所を決断しなければいけません。注意しなければいけないのは、東北関東大震災は、沖合130キロが震源だったけれど、東海地震の震源は「もっと近い」と予想されています。よって「もっと早く」津波がくる可能性があります。
海からの距離は分かるけれど、自分の家や近くの避難場所(学校など)の標高を知らない人が多いかと思います。標高は下記のようなサイトで簡単に調べられます。
・Google Map 標高表示
http://wisteriahill.sakura.ne.jp/GMAP/GMAP_ALTITUDE/index.php
富士市内の各地点の標高は、富士市役所14m、新富士駅15m、JR富士駅16m、JR吉原駅8m、富士南小11m、田子小7m、田子中8m、吉原小12m、元吉原小19mなどとなっています。この高さの津波がきて大丈夫という意味ではないので勘違いしないでください。津波は、海岸の形や、堤防の高さや、逆流してくる川との距離など、様々な要素によって変わりますので標高だけで予測することはできません。いくつかの検討材料の一つとして考えてください。ちなみに、田子の浦から沼津市西部にかけての防波堤は高さ17mあるそうです。(参照:asahi記事)
富士市の地図と、今回の地震の被災地との地図を比べてみたいと思います。
地図の縮尺を同じにして、仙台市若林区や、石巻市と並べてみます。Flood Mapsというサイトを使って、標高7m以下の部分を青く塗ってみました。
青く塗られてる場所に津波がきたというワケでも無いし、白いところに津波がこなかったというワケでもないです。ただ単純に標高が7m以下の場所が青く塗られているだけです。「地形がだいぶ違う」ということが分かるかなと思って載せているまでです。追記:国土地理院から実際の浸水地域の地図がでたので載せてみました。色が付いているところが浸水地域です。赤色が「建物用地・幹線交通用地」、緑色が「田・その他の農用地・森林・荒地・ゴルフ用地」です。
仙台市若林区あたりの標高7m以下の地域
仙台市若林区あたりの東北関東大震災での津波の浸水地域(赤い点線状に見える縦のラインが仙台東部有料道路と思われる)
石巻市あたりの標高7m以下の地域
石巻市あたりの東北関東大震災での津波の浸水地域
仙台市若林区や名取市では、仙台東部有料道路の東側までが大きな被害を受けました。石巻市の各地区がどのような被害だったかは、こちらのブログなどで写真が載っています。ちなみに、全校児童108人のうち約7割の74人が死亡か行方不明という悲劇がおきた石巻市立大川小学校なんかは、標高3mの場所に建っていました。
富士市の標高7m以下の地域(上記の仙台市・石巻市の地図と同縮尺)
(参考)富士市の標高5m以下の地域
(参考)富士市の標高9m以下の地域
歴史的なことをいうと、江戸時代に東海道の吉原宿が流されて、今の吉原商店街の場所に移されたことはよく知られています。もう少し「吉原宿」の変遷を詳しくいいますと、宿場は、1635年の津波で元吉原の場所からもう少し北側の、今の富士警察署とかラウンドワンがあるあたりに一旦移りました(中吉原宿などと呼ばれています)。しかし、この場所も1680年の津波で流されて、今の吉原商店街の場所に移りました。(吉原宿 - Wikipedia)
つまり、富士警察署のあたりまでは津波がきたということです。
(富士市における津波の防災については、詳しく調べてまた書きたいと思います。)
ちょっと誤解されているようなので、このエントリの趣旨について(繰り返しになりますが)追記して書きます。
東海地震が来たら、津波がくる前に真っ先に「高台」に逃げるべきだけど、東海地震の場合はすぐ津波が来るから逃げられる時間が少ないです。だから最寄りの(数分で到達できる)、
・なるべく海から遠くて
・なるべく標高が高い場所に建っている
・なるべく頑丈な建物の
・なるべく高い階に昇る
ことの用意をしておく必要があるけれど、このうち「標高」についてはあまり知られていないから知っておいて欲しいな、もしかしたらこの情報で助かる命があるかもしれないし、判断材料となる情報は多いほうが良いのでは、というのがこのエントリの趣旨でした。本文でも書きましたが、標高で津波の危険度が決まるワケではありません。あくまでもいくつもある要素のうちの一つです。
(追記終わり)
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最近は誰と話していても、地震と津波と原発の話になります。で、東海地震が起きた場合、自分の家まで津波がくるのか、どこにどうやって逃げれば良いのか分からずに不安に思っています。中には「津波が来たら諦めるよ」なんてうそぶく人もいますが、諦めてはいけません!
もちろん、指定された避難場所に逃げるのが基本です。しかし、超東海地震(フジブログ過去記事参照)のような、現在想定されている以上の大地震が起きたときにどうするか…。今回の東北の地震では「自治体が定めた指定避難所のうち少なくとも64カ所が津波に襲われ、確認されているだけで100人以上の死者・行方不明者がでている」そうです。(<東日本大震災>指定避難所に津波 死者・不明100人超す (毎日新聞) - Yahoo!ニュース)
一刻も早く、M9クラスの超東海地震が発生したときの津波シミュレーションがされて「避難マップ」がつくられるべきですが、それができるまでは、自分で考えて行動するしかありません。
どこに逃げるのか…。
まずは高台に、富士市ならばとにかく北へ逃げるのが正解だと思います。しかし、皆が車で逃げたら大渋滞になることが容易に予想されます。なので、「自分がいる場所からの距離」「海からの距離」「建物の高さ・丈夫さ」「建物が建ってる標高」などを総合的に判断して、避難する場所を決断しなければいけません。注意しなければいけないのは、東北関東大震災は、沖合130キロが震源だったけれど、東海地震の震源は「もっと近い」と予想されています。よって「もっと早く」津波がくる可能性があります。
海からの距離は分かるけれど、自分の家や近くの避難場所(学校など)の標高を知らない人が多いかと思います。標高は下記のようなサイトで簡単に調べられます。
・Google Map 標高表示
http://wisteriahill.sakura.ne.jp/GMAP/GMAP_ALTITUDE/index.php
富士市内の各地点の標高は、富士市役所14m、新富士駅15m、JR富士駅16m、JR吉原駅8m、富士南小11m、田子小7m、田子中8m、吉原小12m、元吉原小19mなどとなっています。この高さの津波がきて大丈夫という意味ではないので勘違いしないでください。津波は、海岸の形や、堤防の高さや、逆流してくる川との距離など、様々な要素によって変わりますので標高だけで予測することはできません。いくつかの検討材料の一つとして考えてください。ちなみに、田子の浦から沼津市西部にかけての防波堤は高さ17mあるそうです。(参照:asahi記事)
富士市の地図と、今回の地震の被災地との地図を比べてみたいと思います。
地図の縮尺を同じにして、仙台市若林区や、石巻市と並べてみます。Flood Mapsというサイトを使って、標高7m以下の部分を青く塗ってみました。
青く塗られてる場所に津波がきたというワケでも無いし、白いところに津波がこなかったというワケでもないです。ただ単純に標高が7m以下の場所が青く塗られているだけです。「地形がだいぶ違う」ということが分かるかなと思って載せているまでです。追記:国土地理院から実際の浸水地域の地図がでたので載せてみました。色が付いているところが浸水地域です。赤色が「建物用地・幹線交通用地」、緑色が「田・その他の農用地・森林・荒地・ゴルフ用地」です。
仙台市若林区あたりの標高7m以下の地域
仙台市若林区あたりの東北関東大震災での津波の浸水地域(赤い点線状に見える縦のラインが仙台東部有料道路と思われる)
石巻市あたりの標高7m以下の地域
石巻市あたりの東北関東大震災での津波の浸水地域
仙台市若林区や名取市では、仙台東部有料道路の東側までが大きな被害を受けました。石巻市の各地区がどのような被害だったかは、こちらのブログなどで写真が載っています。ちなみに、全校児童108人のうち約7割の74人が死亡か行方不明という悲劇がおきた石巻市立大川小学校なんかは、標高3mの場所に建っていました。
富士市の標高7m以下の地域(上記の仙台市・石巻市の地図と同縮尺)
(参考)富士市の標高5m以下の地域
(参考)富士市の標高9m以下の地域
歴史的なことをいうと、江戸時代に東海道の吉原宿が流されて、今の吉原商店街の場所に移されたことはよく知られています。もう少し「吉原宿」の変遷を詳しくいいますと、宿場は、1635年の津波で元吉原の場所からもう少し北側の、今の富士警察署とかラウンドワンがあるあたりに一旦移りました(中吉原宿などと呼ばれています)。しかし、この場所も1680年の津波で流されて、今の吉原商店街の場所に移りました。(吉原宿 - Wikipedia)
つまり、富士警察署のあたりまでは津波がきたということです。
(富士市における津波の防災については、詳しく調べてまた書きたいと思います。)