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富士市議会議員・小池よしはるのブログ
年間予算 1億1275万円 の「敬老事業」に改善の余地はないか
先月から連載で富士市の予算のことを取り上げていますが、その4回目として今回は、少し難しいですが「敬老事業」について、問題提起として書いてみたいと思います。

富士市の敬老事業は、「敬老祝い金」の配布と、9月の敬老会の昼食などの費用の2つからなりますが、今年度の予算で「1億1275万5千円」が計上されています。毎年この程度の支出が続いていて、私は予算書をみるたびに巨額だなーと感じています。


平成30年度予算(単位:千円)



敬老祝い金については、全国の自治体で廃止や縮小が相次いでいるのですが、これまで富士市では手厚い配布を続けてきました。私はことしの2月定例会の一般質問で、「富士市内の小中学校の普通教室にエアコンを設置してほしい」と訴えましたが、小長井市長が「それは予算がない」というので、それに絡めて次のような状況について発言しました。


■横浜市
敬老祝い金:平成18年に廃止 (100歳のみに祝いの品)
小中学校エアコン:全教室に設置済み

■神戸市
敬老祝い金:平成28年に廃止
小中学校エアコン:全教室に設置済み

■福岡市
敬老祝い金:平成29年に廃止 (100歳のみに祝いの品)
小中学校エアコン:全教室に設置済み

■浜松市
敬老祝い金:88歳に1万円、100歳に3万円
小中学校エアコン:平成32年度までに全小中学校の教室に設置予定(報道発表PDF

■富士市
敬老祝い金:80歳に5千円、85歳に5千円、90歳に1万円、95歳に1万円、100歳に10万円、105歳に1万円、88歳に富士ブランド詰め合わせなどの米寿記念品
小中学校エアコン:設置予定は無し


富士市は今年度から祝い金の対象年齢が、77歳、80歳、88歳(記念品)、90歳、99歳、100歳と減りますが、それでもまだ他市より随分と多い水準です。小中学校のエアコンについてはまた別の記事に書きたいと思いますが、東京ではとっくに設置率100%ですし、すでに全国の過半数の教室に付いている現状(文部科学省調査結果)にあって、富士市にはその計画さえもなくて、このままでは全国でビリのグループです。別に、敬老事業の予算を教育にまわしてと言いたいのではありませんが、富士市は総合戦略の中でも最上位の目標として「若い世代の人口確保」と謳っているにも関わらず、そういう予算にはなっていないなと感じます。


私がここで、敬老事業の変更に触れることは「冷たいヤツだ」と思われるかなと心配しますが、あえて書くのは、今と違う使い方をした方が、もっとお年寄りに喜んでもらえる可能性があるのではないかと思うからです。

例えば公共交通です。

このことを1年前の一般質問で話題にしました。この時は、群馬県前橋市で行っている「マイタク」というタクシー運賃補助を紹介し、富士市で実現できないかと提案しました(マイタクのチラシPDF)。「マイタク」は事前に登録した、75歳以上の人、または65歳以上で運転免許を持っていない人、または障害者や妊産婦がタクシーに乗るときに、タクシー運賃の半額(上限1000円)を年間120回(60往復分)も利用できるという、かなりすごい行政サービスです。その時の議事録が↓です(一部編集してあります)

平成29年2月定例会(3月8日)
小池義治:
 富士市は、運転ができない状況にあったり、マイカーを所有していない市民には不便な都市構造となっています。こうした状況を改善すべく、鉄道や路線バスを幹線、コミュニティバスやデマンドタクシーを枝線とする公共交通網の充実に向けた取り組みがされていますが、目に見える成果には至っていないように思います。
 公共交通への公費投入額は、路線バスに約5800万円、コミュニティバスに約4300万円、デマンドタクシーに約800万円、岳南電車に6200万円で、ここ数年は大きな変動なく推移しています。また、敬老会接待や敬老祝金の支給などの敬老事業には約1億1000万円の公費が支出されています。これを77歳以上の人口2万6285人で割ると、1人当たり4322円になります。公共交通の充実を通じて高齢者に報いるという観点から、敬老祝金の一部を公共交通クーポン券で支給したり、敬老会を縮小した分をコミュニティ交通に振り分けることを地域で選択できるようにするなどの変更を検討できないでしょうか。

小長井義正市長:
敬老祝金の一部を公共交通クーポン券で支給したり、敬老会を縮小した分をコミュニティ交通に振り分けることを地域で選択できるようにするなどの変更を検討できないかについてでありますが、本市の敬老事業は、社会のために尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝うとともに、市民が敬老に対する関心及び理解を深め、また高齢者自身も明るく楽しい生活を営むことを目的とし、敬老祝金の支給事業や市、町内会連合会、富士市社会福祉協議会の3者主催により敬老会を開催しております。
 議員御提案の公共交通クーポン券の支給につきましては、平成24年度に実施したあり方検討委員会に対して、市から当時の岳南鉄道の利用促進策の一環として実現の可能性についての検討を依頼いたしました。このことについて、あり方検討委員会から、高齢者にとって利便性が高く、市内全域共通で使用できる公共交通クーポン券であれば、米寿記念品の選択肢に加えるという報告を受けております。しかしながら、条件に合致する公共交通クーポン券は存在せず、新たに制度化することについて民間事業者と協議いたしましたが、共通使用が困難であるという結果に至ったため、米寿記念品としての採用を見送っております。
 今後は市内全域共通で使用可能な公共交通クーポン券にとらわれず、公共交通機関ごとに使用ができるクーポン券発行の可能性について調査し、その結果を踏まえ、改めてあり方検討委員会で記念品等として検討していただきたいと考えております。本年度、平成30年度から平成33年度までの敬老事業のあり方を検討するあり方検討委員会において、敬老会経費を含め、今後の敬老事業全体の市負担等について検討されており、その結果を3月末に市に報告していただく予定になっております。今回の検討の中では、議員御提案の敬老会を縮小し、生み出された財源をコミュニティ交通に振り分けることについては含まれておりません。しかしながら、平成30年度にはあり方検討委員会とは別の検討組織を設置し、敬老事業のあり方そのものについて、総合的かつ中長期的に検討してまいりたいと考えております。

(途中略)

小池義治:
 前橋市のマイタクは、合計で年間1億3100万円の公費支出をしたということです。先ほど部長からあったように、前橋市の人口は34万人ですから、富士市の人口に合わせると、前橋市を7割にすればいいので、9520万円の規模でこのサービスができるということです。こんなサービスが本当にあったらいいなと思いますけれども、追加で年間1億円か、1億円というのはちょっと難しい金額だな、だけれども、これがあったらお年寄りは喜ぶだろうなというふうに私は思っていたところ、ちょうど富士市に1億円規模の高齢者に関する事業というのがあるなと思い浮かびました。それが敬老事業です。この予算と何とか連携ができないのかなというふうに思います。
 この敬老会とか敬老祝金というのは、全国で縮小や廃止が相次いでいまして、大都市でも昨年度は神戸市が祝い金を廃止しましたし、今、福岡市は来年度予算案で敬老祝い金を廃止して、その分を路線バスのバス停のベンチをつくる予算などに振り分けた予算案を市議会に提出中ということです。
 この敬老会事業は、今年度の富士市議会事業評価の対象になっていまして、事業の方向性は「3、改善し継続」で、予算を現状程度という判定をしました。判定に至った理由の中にはこのようにあります。各地区等からは、企画や出席者の確認、お祝い品の配付の負担が大きいとの声があり、数年後には団塊の世代が対象年齢となれば、これらの課題に加え、予算面でも深刻な状況になることは確実である。次が大事なんですけれども、敬老会の開催にこだわらない自由度を持たせた委託料の支出も検討すべきというような文章をつけまして、この敬老事業を事業評価しました。お年寄りのこれまでの労をねぎらって、本当に喜んでいただく、それが敬老会の趣旨だと思います。それが年に1回敬老の日に集まって食事を食べて、マジックを見たりカラオケを歌ったりする、そういう敬老会がいいのか、それとも同じ予算があれば、1年を通じて週に1回のペースでマイタクのようなサービスが受けられる、どっちが本当にお年寄りのためになるのかな、そんなことを考えてみるのは必要だと思います。敬老会は地区ごとの会場型でやっているところと、町内会単位の分散型でやっているところがあります。特に会場型でやっているところの参加率が低いというのがこの事業評価でも議論になりました。1点確認したいんですけれども、地区単位で見たとき、参加率が一番低いところ、会場型でやっているところはどのぐらいの参加率で行われているでしょうか。

福祉部長:
本年度の会場型の参加率は19.9%でした。昨年度が22.6%で若干下がっておりますが、本年度は9月18日と24日は警報等が出るような悪天候でございましたので、出席率が低いと、そのような分析をしております。

小池義治:
 会場型は19.9%、2割を切った、悪天候ということもありましたけれども、昨年、一昨年を見ても約2割台のところにとどまっています。8割の方は敬老会に参加しないという状況にあります。そのようなことで本当にお年寄りに喜ばれているのかなということについては、私はまた別のやり方でお年寄りに報いる、もちろん、この気持ちは大事ですけれども、別のやり方も検討してみなければいけないんだなというふうに感じています。
 毎年3月にまちづくりセンター講座の冊子が配られますけれども、運転できないお年寄りが、少し離れたまちづくりセンターの講座に全部で6回行きたいと思っても、公共交通を使って行くというのはなかなか難しいです。それでしたら、こういったマイタクのようなサービスがあれば、これでちょっと行ってみようかな、隣の地区まで行ってみようかな、そんなふうに思う。それこそが本当にお年寄りのためになるんじゃないかなというふうに思います。そうすれば5000円分のタクシーチケット、バスチケット、どちらでも使えるようなチケットを発行できるのではないかなと思います。これは福祉部の予算と都市整備部の予算に分かれていますけれども、これは市長、副市長、財政部長がぜひリーダーシップを持って、一体的に取り組むということについても考えていただきたいなというふうに思います。
 今現在の交通弱者のために、そしていつか交通弱者になってしまう全ての市民のために、今こそ大胆な手を打たなければいけないと思います。史上空前の今まで誰も経験したことのない超高齢化社会がもうやってきます。経験したことのない変化に対応するには、今までの考え方ではあり得ないよというレベルの政策が必要だと思います。公共交通の大改革は待ったなしですけれども、それを実現させるのは難しいことではなくて、今あるタクシーをうまく使えばいいのではないかという提案をきょうさせていただきました。バス、タクシーの事業者ともよく話し合って、よりよい公共交通をつくり上げていただきたいと思います。


交通に関しては、高齢者の運転中の事故が増えているので、運転免許の自主返納を促していくことも重要だと思います。

富士市では今年度から免許証の自主返納支援制度が始まりますが、返納すると「市内の公共交通機関で利用可能な共通回数券」が5,000円分もらえるというものです。返納した時の1回限り貰えるだけです。私は、この予算は何十倍に増やして、金額をもっと増やしたり、返納した年だけではなくて毎年ずっともらい続けられるようにしたって良いと思います。高齢ドライバーの事故に通学途中の子供が巻き込まれて亡くなる事故もありますので、運転に自信が無くなった方が免許を返納することは、全市民にとって良いことです。


いずれにせよ「もっとこの予算はこう使われた方が良いのでは」というように、予算の使い道がタブーなく、市民のあいだで議論されれば良いなと思って書きました。もっと予算の使い道をダイナミックに変えていくことが必要だと感じています。


#nextFUJI
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コメントありがとうございます
  • 無理だし危険な「コンパクトシティ」より、目指すべきは「コンパクト市役所」では
    パリストン (05/31)
  • すでに3億円以上を支出している「若い人が富士市に家を建てて引っ越してきたらカネをあげるよ」という小長井市長の施策は、まちの活性化に繋がっているか
    与太郎 (04/21)
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小池よしはる(小池義治)

富士市議会議員(2期目)
会派・民主連合

1977年9月22日生まれ(40歳)
富士市青葉町(富士北地区=富士中央小学区)在住

・2011年4月 富士市議選
3072票をいただき初当選
(44人立候補中 5位)

・2015年4月 富士市議選
3555票をいただき2回目の当選
(39人立候補中 1位)

2人の子どもを子育て中

吉原小学校 → 吉原第一中学校 → 富士高校 → 早稲田大学商学部(中退)

NPO法人富士山検定協会 代表理事
元・富士市民活動センター センター長

ご連絡は、
fujiblog(あっとまーく)gmail.comまで。

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