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富士市議会議員・小池よしはるのブログ
「海沿いや山の方の集落を切り捨てれば、富士市の魅力と活力が増すって本当?」 コンパクトシティを巡って富士市議会政策討論会
5月14日の富士市議会に注目してください。

私が所属する会派で提案し、議員32人全員参加で政策について議論する「政策討論会」が行われます。傍聴可能です。

■富士市議会政策討論会「立地適正化計画について」
日時:5月14日(月) 午前9時30分から
場所:市役所10階全員協議会室


富士市では、今年度中に「立地適正化計画」という集約・連携型のまちづくり(コンパクトシティ)を実現するための計画が作られています。また、それに先駆けて、吉原商店街や市役所周辺、富士駅周辺などのまちなかに若者世帯に移り住んでもらう「まちなかU-40」という補助金制度が行われています。

スミドキU-40に触れた時に書きましたが、「若者世帯まちなか居住支援奨励金(まちなかU-40)」にはすでに公費5000万円以上が計上されています。

平成29年度 (単位:千円)


平成30年度 (単位:千円)


「まちなかU-40」は、↓こんな制度です。

富士市WEBサイトでの説明はこちら

これから超少子高齢化社会を迎えるにあたり、小長井市長は「若者にまちなかに移り住んでもらおう」という補助金を用意しました。私は、これは「まったくの逆ではないか?」と思っています。

まちなかに移住を促す対象が「交通弱者となってしまうお年寄り」なら、まだ理解できます。なぜ若者なんでしょう?

若い世代には、むしろ行政からお願いしてでも、海沿いや山の方の集落に残って住んでもらって、地域コミュニティの担い手となって欲しいと思います。若者がいなくなり子供もいなくなった「お年寄りだけが残る集落」をわざわざ作り出してどうするのか。限界集落が生まれてしまったら、逆に行政コストがかかってしまう恐れがあると考えています。

富士市は、日本一深い駿河湾から、日本一高い富士山までを含む全国で唯一の都市で、海沿いの集落や山あいの集落、商店街から工業地帯まで、その「多様さ」こそが富士市のアイデンティティであり、都市の魅力の源泉です。海や山、せっかくの富士市の良さを、なんで捨て去ろうとするのか。わざわざお金をかけて自分のまちの魅力を切り捨てるのか。私には理解ができません。

私は、コンパクトシティ政策、特に「まちなかU-40」のような施策の実施に反対という立場から、政策討論会に参加します。

以下に、政策討論会資料の事前資料として配布した、私が書いた文章を掲載します。

政策討論会資料

<提案理由>
本市においては平成16年3月策定の都市計画マスタープラン等の各種計画において、集約・連携型のまちづくり(以下、コンパクトシティ政策)を進める方針が示されてきたが、これまでは抽象的なイメージを掲げるにとどまり、実効性のある事業は実施できておらず、合併後約10年間の地区別の人口増加率をみても、吉原地区(-8.9%)や富士駅北地区(-3.0%)が、市全体(-2.8%)を下回るなど、コンパクトシティが進展した兆候はみてとれない。 そんな中、平成29年度と30年度の2か年をかけて立地適正化計画の作成が進み、去る3月23日に行われた全員協議会においては、立地適正化計画の素案として、市街化区域内に新たに設定する都市機能誘導区域と居住誘導区域が具体的に地図上に示された。
また、立地適正化計画の策定に先駆けて、本市に居住する夫婦いずれかが満40歳未満である世帯が近隣商業地域または商業地域に住宅を取得する際に50万円(市内業者の新築施工の場合プラス20万円)を交付する「まちなかU-40」(富士市若者世帯まちなか居住支援奨励金交付制度)が平成28年度から平成30年度までの3か年で実施されており、これまで5千万円を超える予算(28年度決算額・120万円、29年度当初予算額・1400万円、30年度当初予算額・3910万円)が計上されてきた。この制度については、今年度中に成果を検証した上で、平成31年度からは立地適正化計画と関連させた後継事業の実施も含めて検討したい旨が、当局から示唆されている。
コンパクトシティ政策は、都市の効率化や中心市街地のにぎわいに光が当てられる一方で、郊外地区での人口減少と高齢化が急激なものになった場合に、地域コミュニティの維持が難しくなるなどの負の側面も懸念される。本市では、26の小学校区に設置されたまちづくりセンターを拠点として、それぞれの地区が老壮青のバランスがとれた年齢構成のもと、地域の歴史と自然に基づく特性を生かした活発なまちづくり活動が行われてきたが、行政が居住誘導施策を進めることで、急激な人口減少に見舞われたり、世代のバランスが崩れたりする地区があらわれる可能性は否定できないように思う。
今年度は、立地適正化計画が作成され、「まちなかU-40」の後継事業について検討されるなど、本市のまちづくりにおける大きな転換点にあるといえるが、以下示すような問題点が明らかになっていない上に、市民のコンセンサスも十分ではないと感じるので、富士市議会基本条例第13条に基づく政策討論会を実施することで、議会としての共通認識の醸成を図りたい。


<問題点>
1.行政コストの削減効果が示されていない

例えば、コンパクトシティ政策に1億円の公費を投じることで、将来的に削減される行政コストが2億円あるというような試算が数値で示されれば、多くの市民が納得できるであろう。しかし、これまで行政コストの削減が明確に示されたことはなく、富士市議会平成28年11月定例会の一般質問における「実際に削減される行政コストは何がどれほどか」という問いに対して、「立地適正化計画の策定の中で、その検証を行ってまいりたい」との市長答弁であったが、立地適正化計画(素案)の中に、行政コストの具体的に何がどれほど削減できるかという数値での記載はなかった。本市においては既に道路や上下水道等の基盤整備が広範囲にわたって整っており、近年の新規住宅分譲の多くは既に宅地化されている市街化区域内に点在する空地や農地からの転用のため、新たなインフラ整備は必要なく、居住誘導区域外や市街化調整区域の人口を減らしたとしても、それぞれの集落の人口をゼロにしない限り、道路や上下水道等の維持コストはかかり続けることになる。
また、同定例会での市長答弁の中で、「コンパクトシティは、行政コスト削減という観点だけをもって進めているものではなく、その考えの根幹は都市全体の魅力と活力の向上にある」との発言もあったが、居住誘導区域の外から内へ、幾らかの人口が移動したとして、それが都市全体の魅力と活力の向上に繋がるという具体的なイメージが、市民の共通認識となっているとは言い難い。
むしろ、居住の誘導により郊外部で著しい高齢化が進みコミュニティの維持が難しい「限界集落」が生まれてしまったら、逆に行政コストは増加し、都市全体の魅力と活力は低下してしまう恐れもあるのではないだろうか。

2.行政サービスの平等性が保てるか

「居住誘導区域」を設定するからには何らかの方法で居住の誘導(=人口の移動)をはかることになるが、立地適正化計画(素案)の中では、施策展開例として、居住誘導区域外における届出制度の活用や、まちなかU-40の活用、公共交通の利便性維持などが示されている。
 コンパクトシティを実現させる過程において、誘導施策の名のもとに、公共交通などの行政サービスを誘導区域に手厚く配分(誘導区域外をないがしろに)することがあれば、等しく税を納める富士市民の間で不平等感が生じることになってしまう。公平性を保つべき行政が、誘導施策を展開できるのか、不透明なままとなっている。

3.富士市の地域特性に合っているか

まちづくりの計画にあたっては、歴史性や地理的特性も考慮した上で方向性を決めていくべきであるが、その点において十分な議論がされてきただろうか。現在の富士市の市域は歴史的にみて、ひとつの中心を持つまとまった区域ではなく、多くの村が点在していた。富士宮や沼津では既に市政が施行されていた終戦(昭和20年)の時点でさえ、4町9村(吉原町・富士町・鷹岡町・富士川町・浮島村・須津村・吉永村・原田村・大淵村・元吉原村・田子浦村・岩松村・松野村)が存在していた。それぞれの村として継続してきた歴史と伝統が、現在の富士市域の中に同居していることは深慮されるべきである。
また本市には、滅多に雪が降らないという気候的な特徴がある。コンパクトシティの先進事例として必ず紹介されるのが富山市であるが、除雪コストを計算する必要が無いという点において本市と状況が大きく異なっている。

4.市民が納得できる居住誘導区域の設定であるか

市民はそれぞれ、自分の「まち」を愛し、慣れ親しむ「まち」が発展し継続することを願って暮らしている。この「まち」が意味するところは、「富士市」であると同時に、住んでいる「地区」でもあり「町内」でもあり、その想いは連続して結びついていて、どれかひとつに絞れるものではない。今回の立地適正化計画(素案)では徹頭徹尾、「富士市」が将来存続するためにどうするかという視点で書かれており、市民が大切に思う「地区」や「町内」への気持ちに対する視点は欠落しているように思う。
立地適正化計画(素案)に示された地図において、居住誘導区域を全く含んでいなかったり面積が著しく小さかったりする地区が存在してしまっている。松野地区(0)、吉永北地区(0)、大淵地区(2.5ha)、浮島地区(2.9ha)、富士南地区(12.1ha)、岩松北地区(26.7ha)、神戸地区(28.5ha)などであるが、こうした地区の存続と発展は、今後どのように望めるのか示されていない。居住を「誘導」する、その反対ということは、人口が減っていくことが推奨されているのだろうか。
富士市は、日本一深い駿河湾から、日本一高い富士山までを含む全国で唯一の都市であり、海沿いの集落や山あいの集落、商店街から工業地帯まで、その「多様さ」こそが富士市のアイデンティティであり、都市の魅力の源泉であるが、効率を求める中で、せっかくの富士市の良さを毀損する恐れはないだろうか。まちの伝統や魅力は、いったん失ってしまったら取り返しのつかないことであるので、慎重なうえに慎重を期して都市計画は進められるべきだと思う。


<論点>
以下に示す2点を論点として、政策討論会を進めたい

1.コンパクトシティ政策を進めることの是非について

当局からは集約・連携型のまちづくりを進めれば、将来的に行政コストは削減され、都市の魅力と活力が増すという説明がされているが、それについてどう考えるのか、各議員の所在地区の事情なども含め発言し合う中で、将来的な本市のまちづくりの方向性について議論をしたい。


2.「まちなかU-40」の効果検証および後継事業のあり方について

コンパクトシティを実現するための誘導施策である「まちなかU-40」は今年度末でいったん終了し、今年度中にその効果検証を行い、来年度からの新制度実施について検討がされることとなる。仮に、現在「近隣商業地域及び商業地域」としている補助金交付の範囲を、居住誘導区域全体にまで拡大する新制度が設計された場合、交付対象者数は急増し、予算額の増加も予想される。
初めて「まちなかU-40」の予算を審議した平成28年2月定例会においては、当局からの急な提案に対して「まちなかに誘導すべきは若者ではなく(交通弱者となる)お年寄りではないか」などの異論が出され、予算の執行にあたって追加の説明を求める附帯決議をつけることになった。これまでの「まちなかU-40」の費用対効果を検証するとともに、平成31年度から開始される可能性がある「まちなかU-40の後継事業」について、それを実施する必要があるのか、あるとすればどのような内容であるべきか議論したい。


この政策討論会でどのような議論が行われたのか、またコンパクトシティ政策がどのようになっていくかは、改めて記事として書きます。

「まちなかU-40」に関しては、次年度予算には盛り込まないように、しっかり反対の姿勢でのぞみたいと思っています。富士市の未来がかかっています。ご注目ください!


#つぎの富士市をつくる
#nextFUJI
| 小池よしはる | 富士市議会 | 13:13 | comments(0) | trackbacks(0) |









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小池よしはる(小池義治)

富士市議会議員(2期目)
会派・民主連合

1977年9月22日生まれ(40歳)
富士市青葉町(富士北地区=富士中央小学区)在住

・2011年4月 富士市議選
3072票をいただき初当選
(44人立候補中 5位)

・2015年4月 富士市議選
3555票をいただき2回目の当選
(39人立候補中 1位)

2人の子どもを子育て中

吉原小学校 → 吉原第一中学校 → 富士高校 → 早稲田大学商学部(中退)

NPO法人富士山検定協会 代表理事
元・富士市民活動センター センター長

ご連絡は、
fujiblog(あっとまーく)gmail.comまで。

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